常時品薄状態だった使い捨ての不織布マスクが4月から5月にかけて街頭でも販売され始め、現在マスクが余っている状態になっています。
これでマスク不足も一段落して、さらに値下げが進んでいって品薄、品切れ前の値段に戻っていくかもしれませんね。
そんな楽観的な予想がある一方、専門家は「6月以降、不織布マスクはさらに高騰する可能性がある」と私たちの予想とは真逆の状況を予測しています。
それはなぜかというと6月以降は南半球も含めた世界的なマスクの品薄、品切れが起きるというのです。
専門家は健康に支障がない人は洗って使える布マスクの使用を呼び掛けています。
マスクの値崩れがなぜ起きる！？
街に出てみると、2～3月のマスク不足がウソだったように店頭にはマスクが並んでいます。
4月は50枚入りの箱が3,500円～4,000円で売っていましたが、5月のゴールデンウィーク明けに街を歩いてみると、雑貨店などの店頭で販売されているマスクは50枚入りで2,500円と大きく値下げされていました。
その数日後には50枚入りが1,980円（税別）などという値札が付き、マスクの平均価格は2,000円前後になっていました。
4月は1枚当たり70-80円だったマスクが、5月には40-50円になってしまったのです。
雑貨店の店頭などで売られているマスクは、そのほとんどが中国から直輸入されたもので、使っていてあまり気持ちの良いものではありませんよね。
それが、今回の値崩れの原因と言ってもいいでしょうね。
6月からまたマスク高騰！？
ところが専門家は「6月ぐらいから、また『50枚3500円』の状況に戻る可能性があります」と現在の流れとは真逆の現象を指摘。
以下の4項目を理由に挙げて説明しています。
（１）中国の輸出規制
「質の悪い中国製品が世界に出回るのはよくないということで、中国政府は4月18日付で輸出マスクの管理を厳しくしました。」
やはり我々消費者が気になるのは、マスクの品質ですよね！
「『医療用か否かを明記』『包装は小売のできる形』といったもので、規制によって簡単に輸出できなくなり、品質が安定した完成品しか出荷されなくなるため日本に来るマスクの数も減りかねません。」
多少数が減っても品質の良いマスクをしたいものですね。
（２）メルトブロー高騰
「マスクの原材料である不織布『メルトブロー』の原価が20-40倍ほど上がり、鈍化しているものの、現時点では上がり調子。
中国の製造元はコロナ前の8-10倍の値段で売らなければ元が取れなくなりました。」
「品質に厳しく、値下げしないと売れない日本に輸出するなら他の国に…ともなりかねません。」
なるほど、マスクの材料になっている不織布『メルとブロー』の価格が上がっているのも6月からの不織布マスクの高騰につながっているというわけですね。
（３）緊急事態宣言の解除
「外出自粛中はマスクをする機会が首都圏を中心に3月と比較して少なくなっていた。
つまり、緊急事態宣言によって通勤通学などが抑制され、マスク利用が減っていたのです。」
なるほど、外出しなければマスクの必要がありませんからね。
「それが解除されると外出するようになり、今まで以上にエチケットによるマスクの需要が高まれば、再度、需要が供給を上回り、値段が上がる一因になります。」
緊急事態宣言が解除されたからといって、急にマスクがいらなくなるわ訳ではありませんよね。
まだウイルスがなくなったわけでもないし、海外からもウイルスは入ってきます。
（４）全世界でのマスク需要
「アジア圏以外で着ける習慣がなかったマスクの需要は欧米を中心として世界的に高まりました。マスクをしなかった欧米人が着けたように、アフリカや南米、インド圏などでもマスクの需要が上がり、各国の生産体制が整うまでは世界で品薄状況が続くと考えられます。」
アジア圏以外ではマスクを着ける習慣がなかったとはわたしも知りませんでした。
これからますます世界的なマスクの需要が高まっていくというわけですね。
専門家は以上の理由から、不織布マスクが再び品薄になると分析しています。
「医療や介護関係者などに使い捨ての不織布マスクが行き渡るよう、一般の消費者は繰り返し使える布マスクを使うことに意識を転換させる時期」というのが専門家の認識です。
また、専門家は「アベノマスクを含む布マスクは一般消費者に。不織布マスクは医療・介護従事者、花粉症などを抱えている人に。さらに、高機能マスクは医療・介護従事者に。一般の消費者は布マスクを繰り返し使い、消費を抑えていくことが必要になるでしょう」と提言しています。
まとめ
今回は「マスクの値崩れがなぜ起きる！？品薄、品切れに終止符？」ということでまとめてきました。
結果的にマスクが値崩れを起こしているのは一時的なものだとわかりました。
新型ウイルスの収束には少なくても1年以上のスパンでマスクのある日常生活を送ることになるでしょう。
そうなれば不織布の使い捨てマスクは医療関係者へまわし、一般の消費者はくり返し使える布マスクへシフトするのが良いと思われます。
これからの季節に向けた夏用マスクも含めて、国に頼らず、一般の消費者向けの布マスク作りをするメーカーがもう動き出すときかもしれませんね。
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